Friday, November 9, 2007

佐賀殺人 暴力団関係者と間違った疑い 3分間の凶行 

佐賀県武雄市の医院に入院していた板金業、宮元洋さん(34)が8日朝、何者かに拳銃で撃たれて死亡した事件で、入院先の病室に入院患者の名札がなかったことが9日、分かった。個人情報保護を重視していたためだが、宮元さんは10月初めに入院後2度病室を移っており、現場の個室に以前入院していた暴力団関係者と間違って撃たれた疑いが強まっている。
 厚生労働省は04年12月に個人情報保護法に基づき「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイドライン」を策定。病室の名札掲示は、プライバシー保護の観点から「患者の希望に応じて一定の配慮をすることが望ましい」と定めている。
 事件現場の医院は全19床が個室。見舞客はナースステーションで患者の入室先が分かるようになっていた。犯人は宮元さんが入っていた3号室とナースステーションの間の階段を使い、看護師の死角を利用して同室に直行し、犯行後も同じ経路で逃走したとみられる。
 一方、県警が病院から提出を受けた防犯カメラの映像を分析したところ、8日午前7時39分と同42分の2回、犯人とみられる不審な男が正面玄関を出入りする姿が映っており、3分間の凶行だったことが分かった。県警は映像や目撃証言などから、単独犯行との見方を強めている。
 また、司法解剖の結果、宮元さんの死因は銃創による失血死と判明。正面から肩付近に2発が当たっていた。発射されたのは計4発。回転式拳銃が使われたとみられる。
 ◇退院目前に
 被害者の宮元洋さんの知人らによると、宮元さんは関東の大学に進学したが、家業を継ぐために卒業後、佐賀に帰郷。結婚して子供2人に恵まれ、親しい知人には「やっと仕事が軌道に乗り始めた」とうれしそうに話していたという。
 地区の運動会に子供2人と一緒に参加。また、自宅そばの空き地で、子供とサッカーをして遊ぶ姿もよく見られたという。地元消防団や子ども会活動にも積極的に参加していた。
 入院は、ラグビーの練習中にアキレスけんを切ったためだが、今週末にも退院する予定だった。今月3日には地区の仲間らと作るグループの懇親会に松葉づえで駆けつけ、11月2日に行く予定だった大分県・別府温泉への旅行の話で盛り上がったという。

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