Friday, November 9, 2007

自殺 9年連続3万人超 初の白書、中高年男性急増

政府は9日の閣議で、自殺の現状や政府の自殺対策の実施状況をまとめた平成19年版「自殺対策白書」を決定した。昨年10月施行の「自殺対策基本法」に基づき、国会に提出する初の年次報告となる。自殺者数は、10年以降9年連続して3万人超。その7割が男性で、特に急増した大半の部分を45~64歳までの中高年男性が占めている。

 白書では、中高年男性の自殺者の急増について、人口増や高齢化に加え、バブル崩壊といった経済的変化が働き盛りの男性に強く影響していると分析。特に社会の大きな変化を小・中学生のころに経験した昭和1桁(けた)から15年生まれまでの世代は、社会的変化の節目で高い自殺死亡率を占めるという世代的特徴があるとしている。

 また、今年6月に閣議決定した「自殺総合対策大綱」に沿って、自殺を「追い込まれた末の死」「防ぐことができる」「自殺を考えている人はサインを発している」という3つの基本認識の下、政府が進めている9項目、46の重点的な自殺対策についてまとめている。28年までに、17年の自殺死亡率の20%以上を減少させ、急増前の2万4000人台の水準まで下げることを目標に掲げている。

 18年の自殺状況は、原因の約半数を「健康問題」が占め、次いで「経済・生活問題」、「家庭問題」となっている。高度成長期やバブル期に自殺者が減少する一方、円高不況下の昭和60年前後やバブル崩壊後に増加しており、失業率と自殺死亡率との間に相関関係があることも指摘している。

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